KAIZEN診断を導入頂いた企業へのインタビューシリーズ。今回は、富山県上市士の富士化学工業株式会社 生産統括部 部長代行の大林さん、生産統括部の野村さんにお話を伺いました。
創業76年の医薬品製造のグローバル企業の富士化学工業
御社の事業内容と製品の特長教えてください
大林さん:当社は1946年から上市町を拠点にオンリーワンの技術力で医薬品開発における課題解決に挑み、原薬製造から製剤、自社製品の開発・販売まで、国内外問わずグローバルに展開している会社です。
また医薬品だけでなく健康食品分野でも、さまざまな疾病予防やアンチエイジングに効果的といわれるアスタキサンチン市場のリーディングカンパニーです。
富士化学の5Sカイゼン活動「仕事のやりにくいをやりやすく。お客様への信頼作り」
富士化学工業様にとってのKAIZEN活動の位置づけは?
大林さん:当社では2006年より生産本部(7部署)を対象に5S活動を始め、8年後には外部コンサルタントの指導を受けながら、ほとんどの部署で5S活動を行い、計16年間継続していましたが成果や効果、5Sレベルが向上しているのか疑問の声もありました。
そこで2022年4月より今までの活動方法とは全く異なる「全面見直し」を実施。名称は「5S活動」から「5Sカイゼン活動」に変更し、活動目的も「全員参加で結果を出す」から「仕事のやりにくいをやりやすく、お客様への信頼作り」へ変更しました。
「5S活動」から「5Sカイゼン活動」に変更し現状いかがですか?
大林さん:最も大きな変更点は提出件数(ノルマ)、提出期限、数値目標など撤廃し、仕事のやりにくい、わかりにくい、困っていることなどを10人1チームで話し合いながらカイゼンしていくようにしました。
大きな効果や成果を目指すのではなく、身の回りの普段感じている不具合をチームでカイゼンすることで、コミュニケーション増や自分でも気づかない視点を知る、カイゼン方法も相談しやすいなど働きやすい職場作りを目指しています。この活動を始めてから3ヶ月経過しましたが、ノルマを撤廃しても提出件数は以前の約1.6倍、月によっては2倍を超える提出もあり、活動自体やりやすくなっている結果だと感じています。内容は以前のやり方とは大きく異なるため比べることはできませんが、職場の「やりにくい」が確実に減っていることと、速いペースに驚いています。
当初は毎月MVP賞(3チーム)選考と決めていましたが良い活動チームが多く、慌てて準MVP賞を作り、10チームに賞を作り表彰しました。
「5Sカイゼン活動」の課題はありますか?
野村さん:今はまだ始めたばかりのため、出来ることから少しずつでも5Sカイゼンを進めていき、やりにくい、わかりにくい、困った時には直ぐに周りがサポート、カイゼンできる職場環境を構築していきたいと思っています。
診断パックのインタビューに新しい気づきと物流見える化の必要性
TSKのKAIZEN診断はいかがでしたでしょうか?
大林さん:まず社内関係者、生産管理、製造、物流の責任者と担当者へのアンケートとインタビューから入る所がとても良かった。このインタビューで当社の事実を積み上げ課題を導くきっかけを作れたのが良かったと思う。なかなか社内だけでは、いいづらく真実が見えてこない所だが、第3者が入る事で真実を出せたと思う。正直プロのコンサルタントの方がやるような形で進められるので「あのTSKが?」とびっくりした。
また、評価を11項目に分けて数値化して、どの項目の点数が低いのか一目でわかるため非常に分かりやすい。そして評価だけでなく改善案も提示して頂き大変参考になりました。
野村さん:今までは外部からのKAIZENは製造が主体になる活動が多かった。今回は主に物流という視点での提案だったのでとても良かったと思う。当社の荷物は医薬原料が多いのでハンドリングがとても大変。安全を最優先し、今まで人の手でやっていた所を減らして作業者にやさしい現場を作っていきたい。
今後の展望
大林さん:今まで本格的な物流改善には取り組んだことがなく、従来のやり方が当たり前となっていました。社内の視点だけでは限界があるため、第3者目線、経験豊富なTSK様のアドバイスを受けながら「仕事のやりにくいをやりやすく」していきたい。
川崎さん:足元を泥臭く固めていきたいと思っています。中野と同じになりますが、KAIZENを通して私は泥臭く人づくりをしていきたいと思っています。
中野さん、川崎さん、本日はお忙しい中、ありがとうございました!
※所属部署、役職は取材当時(2022年3月)のものとなります。